2024.06.27
CATEGORY : コラム
リフォームは目に見える部分のみ改修するだけでは、その後の暮らしに不安が残ります。普段は壁や床の中に隠れている配管も、実はリフォームの対象になるもの。寿命に近づくと漏水の可能性が高まるため、タイミングを見て交換が必要です。今回は配管のリフォームについて、配管の種類や交換のタイミングについて解説します。
配管にはさまざまな種類があり、設置方式や素材が異なるほか、それによって耐用年数も変わるのをご存知でしょうか。これらの状態が配管のトラブルや寿命に関係してくるため、基礎知識としてチェックしておきましょう。
一般家庭に存在する主な配管は、以下の3つです。
■給水管
排水管から分岐して各家庭へとつながり、上水を届ける水道管・宅内配管のこと。
■給湯管
給湯設備からお風呂、洗面、キッチンなどへお湯を給湯する管のこと。
■排水管
家庭から出た生活排水を下水道へと流す管のこと。
宅内配管の設置・給排水の方式には壁からと床からの2通りがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
配管の大部分が壁の内部におさまるため、見た目がすっきりします。キッチンや洗面台のキャビネット内に配管がない分、収納スペースを広くとれるほか、掃除もしやすくなります。
一方で、新たに壁の内部に配管を設置する場合は床からの給排水に比べて費用が高くなりがち。また、元栓も壁の内部におさめられるケースが多いため水量を調整できなかったり、排水管の勾配を充分に保てない場合は水が流れにくく詰まりやすくなったりすることがあります。
床下のスペースを活用することで、排水管のサイズを柔軟に変えられるほか、勾配も充分にとれるので排水が流れやすいのがメリットです。また、壁からの給排水に比べると工事が簡単なので、費用が抑えられる傾向にあります。
デメリットとしては、キッチンや洗面台のキャビネット内に配管が通るため、収納スペースが限られたり、掃除がしにくかったりする場合があります。
配管に使用される素材は、用途や設置された年代によって異なります。普段はなかなか見ることもなく、意識することもないからこそ、リフォームやリノベーションの際にチェックするのがおすすめです。
以前は配管に使用する材質は、鉄管や鉛管、銅管などの金属が主流でした。しかし金属管は継ぎ手部分が錆びてきたり劣化したりして漏水につながるほか、水に錆が混じる可能性があるため、配管リフォームをおすすめします。
通称「塩ビ管」と呼ばれるポピュラーな配管で、VP管(硬質ポリ塩化ビニル管)、HIVP管(耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管)、HTVP管(耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管)といった種類があります。通常の塩ビ管は加工がしやすい反面、衝撃や温度変化に弱いというデメリットがあるため、それらを解消するのがHIVPやHTVPとなっています。
耐食性・耐熱性に優れ、環境にもやさしい素材。導入コストは高くなりますが、耐用年数は半永久的といわれ、長期的なランニングコストからみるとメリットが大きいと言えます。
通称「ポリ管」とも呼ばれ、現在主流になっている配管です。加工がしやすいうえ耐震性や耐熱性にも優れており、給湯管としての使用も可能です。
前項でお伝えした配管の耐用年数はあくまでも目安。設置環境や使用状況などによって大きく変わります。万が一以下のような症状が見られたら、交換の時期が近づいているサインです。配管の劣化や不具合は健康や衛生面にも関わるため、放置せず迅速に対処しましょう。
配管の詰まりや劣化、パッキンのゆるみなどにより、水漏れが起こります。マンションの場合、下階に迷惑をかけてしまう可能性が大きいので、漏水をする前に配管を見直しておくことが大切です。水漏れのサインは、水道代が急に上がった場合、壁の中や床下からポタポタと水が滴る音がする場合、床に水シミができた場合などです。ただし、少しずつ漏水している場合は気が付かないケースもあります。カビの繁殖や建材の腐食などの二次被害にもつながるため、たまに点検することをおすすめします。
錆や腐食により金属管の劣化が進んでいる状態です。修理や交換など、早めの対処が必要となります。
配管の詰まりや流れの悪さが気になる場合は配管を点検してもらい、古い場合はリフォームを検討しましょう。設置して20年以上経過している場合は、新しい配管に交換したほうが良いでしょう。
マンションで配管リフォームを行う際は、戸建て住宅でリフォームをする際よりも注意すべき点があります。
マンションには共有部分と専有部分があり、一般的に専有部分の配管工事はできますが、マンションの構造による問題から禁止になっているケースもあります。あらかじめ規約や重要事項説明書などを確認しておきましょう。
マンションには躯体に直接床組をしている直床方式と、スペースを開けて床を設けている二重床方式があります。二重床方式の場合は床下のスペースで工事作業ができますが、直床方式の場合は一度床を剥がす必要があるため、解体費用と原状回復費用がかかってしまいます。そのため、配管リフォームを行う際はあらかじめ床の構造を確認しておくか、業者に現地調査に来てもらってしっかり確認してもらうようにしましょう。
目に見えない部分までしっかり改修することで、大切なお家に長く安心してお住まいいただくことができます。ご自宅の配管の状態にもぜひ着目してみてください。
元々水道工事会社である当社では、水廻りのリフォーム工事をご依頼いただいた際、必ず床下や配管のチェックもさせていただきます。そのうえで最善となるご提案をさせていただきますので、安心してご依頼ください。
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