2024.03.28
CATEGORY : コラム
築年数が経つと、劣化や汚れ、使いにくさが目立つのが水回りです。トイレや浴室、洗面台、キッチンなど、生活には欠かせない設備だからこそ、どこかのタイミングでリフォームが必要になってきます。マンションであっても分譲であれば設備交換やリフォームは家主の責任で行う必要があるため、水回りリフォームについての情報はしっかり理解しておきましょう。
使用頻度やお手入れの仕方などによっても異なりますが、一般的には10〜15年程度でリフォームのタイミングとなります。特にトイレのウォシュレットや、キッチン・洗面台・浴室の水栓などが故障するケースが多いです。周辺の壁紙やクッションフロアなども劣化してきていることが多く、設備交換と同時に張り替えることで手間が省けます。
また、ビルトインコンロや給湯器関係も10年前後で買い替えが必要になることが多いようです。
キッチンの向きを変える程度であれば比較的容易にできますが、トイレや浴室の位置を移動させるのは難しいケースもあります。これは後ほど詳しくご説明させていただきますが、マンションの場合配管の状態によって位置変更の自由度が異なります。どちらにしても位置変更には間取り自体を大きく変える工事になるため、期間や費用どちらもアップする工事となります。
トイレ・浴室・洗面台・キッチン、水回りの設備を全て交換し、周辺の壁紙や床などを張り替える工事を行う場合、1週間から10日ほどの工事期間がかかります。ただしこれは位置変更や間取り変更を伴わない場合です。位置変更や間取り変更を伴う大規模なリノベーションとなる場合は、約80㎡の、間取りで2か月前後かかることが多いです。
トイレ・浴室・洗面台・キッチン、全ての水回り設備を交換し、周辺の壁紙や床などを張り替える工事を行う場合、設備のグレードなどによっても異なりますが、最低でも300万円ほどかかると言われています。ただし一カ所ずつ工事するよりセットでリフォームした方が割安になることが多く、近年は補助金を上手に活用してリフォームされている方が多くなっています。
2024年は「子育てエコホーム支援事業」という補助金制度が施行されており、一定の省エネ性能や子育て対応、バリアフリーに対応した住宅設備にリフォームした場合は最大60万円の補助金を申請することができます。ただし、補助金額が総額5万円以上にならないと申請できないという注意点があるため、ある程度まとまったリフォーム工事をすることをおすすめします。
補助対象工事は以下のとおりです。
■ビルトイン自動調理対応コンロ 14,000円/戸
■掃除しやすいレンジフード 13,000円/戸
■ビルトイン食洗機 21,000円/戸
■掃除しやすい機能を有するトイレ 22,000円/台
■手すりの設置 5,000円/戸
■段差解消 7,000円/戸
■高断熱浴槽 30,000円/戸
■浴室乾燥機 23,000円/戸
■節湯水栓 5,000円/戸
単純に新しくきれいなものに変わるだけでも嬉しいことですが、せっかくなら妥協せず使いやすい水回りにしたいですよね。デザイン性にこだわりたい方もいらっしゃるかもしれません。
納得のいく水回りにリフォームするためには、まず今使っている水回りの問題点や改善点をしっかり把握する必要があります。何に困っているか、気に入らないところや使いにくいところ、どこをどう改善したいかを洗い出し、それらをクリアできる設備を選びます。どんな機能があったら嬉しいか、どのくらいの収納があると便利かなど、実際の生活に照らし合わせながら考えましょう。
また、ショールームなどに実際に設備を見に行くのもおすすめ。実物を見ることでよりイメージが湧きやすくなり、「こっちの方が使いやすい」「こうした方がおしゃれに見える」など発見があるかもしれません。
トイレには便器・便座・タンクがセットになっている一体型トイレや、便器と便座のみで構成されるタンクレストイレ、トイレに手洗い器や収納がセットになっているシステムトイレなどがあり、広さや好みによって選ぶことができます。セットになっているものが多ければ多いほどデザインはすっきりし、統一感が出ますが、故障した際の修繕範囲が広くなることは覚えておきましょう。
また、床や壁も同時にリフォームする方が多いと思います。床は水に強く掃除しやすいクッションフロアがおすすめ。壁は消臭機能のついたクロスや、水拭きしやすい壁材を選ぶようにしましょう。
浴室でもっとも大変なのが、掃除やお手入れでしょう。毎日のお手入れができるだけ楽にできるもの、そして綺麗に保ちやすい浴室かどうかをしっかり見極める必要があります。また、湿気がこもりやすく、冬場は寒くなりがちなので、浴室乾燥暖房機を設置するのもおすすめ。今なら補助金も申請できるので、思い切って設置することをおすすめします。
洗面所でもっとも問題になるのが収納。細々としたものが多く、日用品のストックもしておきたい場所なので、意外とたくさんのモノがあります。そのため、どのくらいの収納があれば片付くのかを前もって確認しておきましょう。
また洗面所も毎日使う場所なので、お手入れのしやすさや、清潔に保てるかどうかはとても大事。近年は洗面ボウルの材質や水栓のスタイルにも多くの種類がありますので、見た目の良さはもちろん、お手入れのしやすさや掃除のしやすさも踏まえて選びましょう。
キッチンの悩みで多いのも、収納についてです。調理器具や鍋類などはもちろん、食器類、カトラリー、食品のストックなど、生活しているなかで何かとモノは多くなっていきます。近年は調理家電も種類が増え、全てを配置すると雑多な印象になりがちです。
キッチンは清掃しやすく清潔を保ちやすい設備を選ぶのはもちろんのこと、収納についても気を配って選びましょう。背面にカップボードを設置したり、パントリーをつくったりする工事も視野に入れてみてください。
マンションの間取り図をよく見ると、「PS」と書かれているスペースが水回りの近くにあります。「PS」はパイプスペースのことで、マンション内の配管が集約されている空間です。上下階とつながっているので位置を変えることはできません。
また、コンクリート構造体の上を通ってPS内の共用排水管につながる「スラブ上配管」が一般的ですが、古いマンションでは稀に「スラブ下配管」になっていることがあります。その場合、水回りの移動の自由度がより低くなるため、現状に合わせたプランニングが必要となります。どちらの配管になっているかは管理人さんにヒアリングしたり、竣工図書を見たりすることで確認できるほか、経験を積んだ業者であれば床を叩いた音で判別することができます。
水回りのリフォームは設備に関する最新の知識はもちろん、見えない配管部分などの深い知識も必要になります。特にマンションでは先述したように「スラブ上配管」と「スラブ下配管」などの違いがあるため、水回りに強い会社かどうか、社歴が長く事例が豊富にあるかどうかが重要です。外注するのではなく、自社の職人がしっかり施工までしてくれるかどうかもポイント。
極端に安い見積もりを出してくる業者や、反対に費用が高い業者、所在地が不明確な業者などには気をつけましょう。
10~15年でリフォーム時期がやってくる水回り設備。マンションの場合は配管の違いに留意する必要があるため、経験豊富で信頼できる業者に依頼するのが安心です。リフォーム費用は決して安くはありませんが、今なら補助金が申請できるため、ある程度まとめてリフォームすることをおすすめします。毎日使う水回りだからこそ、使いやすさやお手入れのしやすさに留意して納得のいくリフォームをしましょう。
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